スパイダーバースの次に触れてほしい作品

みなさん、スパイダーバースは見たかな?(挨拶)

バースを観て以来完全にスパイディ熱にうなされているわけだが、いまだ熱が冷める様子もなくずっと「P.S.RED I」聴いてる。

さて前回の記事でこのスパイダーバースを「スパイダーマンの入門作としても良い」なんて書いたわけですが。この作品をきっかけにスパイダーマンやアメコミに興味を持った方はたくさんいると思うんだけど、じゃぁ次に見るべき作品って何?って話である。

僕も入門作って導いたくせにその後を教えないのは不親切が過ぎたかなって思ったので、ここに僕の独断で次はこちらをどうぞ!っていうオススメを書き連ねていこうと思う。

 

先に断っておくけどスパイダーマンの原作アメコミを一から読め」なんていう、崖から突き落として登ってきたやつだけを仲間として認めるみたいな百獣の王的思考な勧め方はしないので、アメコミファンにとってはむしろそれは違うなんて意見もあるかもしれないが、スパイダーバースを観て面白いと思った人をあえて苦境に追い立てる必要はないと思うし、そうやって仲間をふるいにかけていくようなコンテンツでは先が無いと思うので、承知の上でお願いします。

だいたい僕自身が原作コミック全てに目を通してるわけではないし。

ただ、「この作品を見た方がもっとアメコミ、スパイダーマンを好きになってくれるよ!」という意見は是非欲しいのでお待ちしてます。

 

 

 

スパイダーマンをもっと知りたいよ、という方に

 

スパイダーマン(映画)(サム・ライミ版)

 

なんというか、この作品をいまさらオススメするのも野暮ってものなんだけど、どう考えてもバース見終わって真っ先に観てもらいたいのってこれを置いて他にないと思う。

3まで続いた実写シリーズで、1は2002年公開だったのでもう17年も前の作品である。僕もこれを観た当時は小学生だった。その17年前から今日までの間にすったもんだがあっていろんな監督がスパイダーマンを描いてきたけど、やっぱこのサム・ライミ版が一番オーソドックスに楽しめる作品だと思う。何よりスパイダーバースにはサム・ライミ版のパロディシーンも多い。

もちろん原作ファンからは原作と違う点を指摘される事も多々あって、むしろ後に公開されたアメイジングの方がスパイダーマンとしては初心者にオススメすべきじゃないかなんて意見もある。(ウェブシューターの存在や戦闘中の軽口なんか)

でもやっぱスパイダーマンの根幹にある「大いなる力には大いなる責任が伴う」という教訓を一番濃く描いてると思うし、ベンおじさんとのオリジンなんかもやっぱ最初の映画ってこともあって丁寧に描いてるから僕はこれをまず最初に観てもらいたいと思う。(後の実写作品ほどベンおじさんのエピソードは軽めに終わりがちで、現行のMCUシリーズに至っては現時点でベンおじさんの話は一つも出ていない。代わりにMCUピーターを導く役目はトニースタークがやってるので、それはそれで面白い)

かくいう僕もここからスパイダーマンに入ったクチなので、やっぱ我が家のような安心感があるし、スパイディのヴィランと言えばグリーンゴブリンだし、ウェブシューターってむしろ何?といった感じだった。

ウェブシューターを使って糸を出すというのが最もポピュラーな設定の中で、蜘蛛に噛まれた突然変異で体から糸が出るようになったというのは原作との相違と言われる点だが、これは男性の射精、精通のメタファーであると言われている通り、サム・ライミ版では一人の男の成長物語としてしっかり作られていて、一つの映画として見ても面白い名作である。

3部作の中では2が一番評価されてるけど、僕個人としては3が一番好き。主に最終決戦の部分が理由だけど。

 

 

 

 

・スパイダーグウェン(アメコミ)

 

もともと原作スパイダーバースが初出だったスパイダーグウェンは、そのビジュアルと往年のオタクたちをも惹きつける設定を引っさげて登場、瞬く間に人気を博し、ついには単独でのシリーズを持つまでに至った。

スパイダーバースという作品を一番象徴するキャラだったと個人的には思う。まさしくifの具現。

映画スパイダーバースでもクールなお姉さんキャラで人気が出ていたし、ファンも増えたと思うので翻訳書籍も重版されないかな?

映画版も設定や経緯自体はこの原作アメコミを下敷きにしていると思われるので、是非バースを観た後に読んでほしい作品。

ただ、原作のスパイダーグウェンは映画の余裕のあるお姉さんという感じではなく、めちゃくちゃ悩めるティーンエイジャーって感じなので、映画のグウェンのまんまを求めると少し違うように思うかも。

でも単純にお話としても面白いし、リザードがピーターだったり、デアデビルヴィランになってたりとifの物語としても楽しく読めるのでオススメ。

 

 

 

 

スパイダーマン:ホームカミング(映画)

 

バースの後にこれ観た方がいいかはともかく、現行の実写スパイダーマンシリーズなのでピックアップ。

主演のトム・ホランドは可愛い顔立ちで女性人気も高いし、パルクールなんかも達者なのでアクションもそつなくこなす新世代スパイダーマンなのだ! 個人的にもすごいすんなり受け入れられたし、彼のスパイダーマンって軽口を叩きながらもなんとなく心配させられる子供感もあって、クロスオーバーの多いMCUでは末っ子ポジションとして良いキャラの立ち方してると思う。

お話としてはMCUありきなのでスパイダーマンのスタートとしては正しくない気もするんだけど、進化したアクションとCG技術で是非度肝を抜かれてほしい。

あと、とあるシーンで水面に映るピーターの顔の半分がスパイダーマンになってるところがあるんだけど、原作ではおなじみの表現なのでこれを見たときには心底感動した。

今作のヴィランスパイダーマンではお馴染みのヴァルチャーなんだけど、マイケル・キートンが演じてるのでめちゃくちゃカッコいい。スーツまでカッコいいので、これ本当にあのハゲタカ?って思っちゃうレベル。しかもマイケルキートンと言えば過去にバットマン役をつとめ、その後どう考えてもそのバットマンを意識したと思われるバードマンという映画でも主役を演じた。今作のヴァルチャーもこの辺り意識しまくりのキャスティングだったので、洋画好きな人たちもニヤリとしたんじゃないだろうか。

次作のファーフロムホームではヴィランにミステリオが登場するみたい。ベンおじさんとのオリジンもやるんじゃないかって噂だし、そのベンおじさんを初代スパイダーマンのトビーマグワイヤが演じるなんて眉唾な噂もあるけど、とにかく楽しみ!

 

 

 

この辺り以外にも

アメイジングスパイダーマン(映画):エマストーンのグウェン完璧だよね。

キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー(映画):ホームカミングの前日譚みたいなもんだけどいきなりこれから観るのはオススメできないよね。でも面白いよ。

ヴェノム(映画):スパイディは一切登場しないけどスパイディの代表的なヴィランのヴェノムの単独主演映画だよ。

etc…がスパイダーマン気になったという方にはオススメ。

 

 

 

 

 

 

アメコミ(というかマーベル)が気になったよ、という方に

 

・マーベルズ(アメコミ)

 

アメコミってたくさんありすぎて分からない、って声はあると思う。どこから触れたらいいのか分からないってのもある。だって振り返れば歴史なんてすごい長いし、そんな昔の作品の最初から触れるなんて途方も無いし、何より翻訳コミック自体がそんな多くないのが現状なのだ。

そこで僕がマーベルの入門書としてオススメしたいのがこの「マーベルズ」。

お話としてはマーベル世界に住む一般人で記者の主人公が超人たちの登場によってどう世界が移り変わっていったかを記すという作品。

超人第一号というかマーベルの最初の作品でもあるヒューマントーチから話も始まり、ミュータントの迫害やミスターファンタスティックの結婚など、マーベル世界における大きな事件はだいたい網羅してくれてるので、こんな歴史をたどってきたんだなぁと一冊で分かるのはありがたい。

イラストを描いたのは写実的な絵で高く評価されているイラストレーターのアレックス・ロス。もはやアートと言える本誌はただ流し読みするだけでも面白い。

翻訳版の表紙はスパイダーマンなので、そういう意味でも今回の趣旨に合ってるよね。

 

 

 

 

・グウェンプール(アメコミ)

 

日本人向けアメコミ入門書と言っても過言ではない作品。

担当アーティストが日本人女性の二人組のグリヒル先生(分かりやすく言うとゆでたまご先生みたいな感じ)なので、絵がすごくキュートで良い意味でアメコミらしさの薄い絵柄なので読みやすい。あと、この作品を通して「アメコミって同じシリーズの作品でも描いてるアーティストがほぼ毎話変わるんだ…」っていう洗礼を受けるのにも最適←

もちろん最近の作品なのでバンバンゲストキャラが出るけど、翻訳アメコミにはしっかり解説書なんかも付いてるし、そのゲストキャラもしっかり活躍するのでむしろこれをきっかけに気になったヒーローの作品に続くのも。

アメコミには珍しくしっかり最終話まで描かれたし、これまた珍しく翻訳版も完結まで出してくれた貴重な作品である。これもグリヒル先生人気とデッドプール人気の賜物かな?

 

 

 

 

デッドプール(映画)

 

アメコミ映画の傑作。MCUではないんだけど、バースもMCUではないし無問題。

低予算ながらその破茶滅茶な活躍で世界的に大ヒット、一躍超有名ヒーローになったデッドプールR指定映画では異例のヒットを見せてマーベルの顔の一人にまでのし上がった。

自分がコミックのキャラだと理解して観客を意識するなどコメディリリーフな設定が馬鹿受け。日本のオタクもこういうの好きでしょ?

吹替もとっても出来がいいのでオススメ。

 

 

 

 

・アイアンマン(映画)

 

結構話題に上がるし、MCUも手を出してみたいという人にとりあえずこれ。MCUの記念すべき一作目でもあるのはもちろん、これ一つ取ってもめちゃくちゃ面白いアメコミ映画の名作。

ロバートダウニーjrのトニースタークがとにかく当たり役で、トニー見るために観てもいいってくらい。

アイアンマンのデザインは男の子心をくすぐられるよね。

 

 

 

他には

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(映画):MCU最高傑作。1はもちろん、vol2が完璧なので通しで観よう。

ホークアイ VS. デッドプール(アメコミ):普通に面白いアメコミ。一冊で完結だし、読みやすい薄さ。

ウォッチメン(映画・アメコミ):DCだけど、アメコミの転換期になった偉大な作品。いま読んでも面白い。映画もめちゃくちゃ出来が良い。ロールシャッハのビジュアルとキャラクターはそりゃ人を惹きつけるよ。

 

 

 

 

 

もちろんかなり僕の偏見が入っているんだけど、誰も作品として面白いので是非見て欲しい。

アメコミってすごい歴史が深い分、掘り進めれば掘り進めるほど新たな発見とかあって本当に楽しいジャンルだと思うんだよ。だからバースをきっかけにいろんな作品に触れて欲しいな。

ここまでたくさん紹介してきたけど何より、スパイダーバースをもう一度見るのがオススメかな←