ノー・ウェイ・ホームから始まる新たなスパイダーマン

少し気持ちが落ち着いてきたので改めて自分の感情とすり合わせて感想が言えそうだなと思ったので、2回続けてで悪いけど「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(以下NWH)」の感想を語っていこうと思う。

前回に続きネタバレ全開で書くので、まだ観てない人は素直にページを閉じてほしい。なんかTwitter見てると「ネタバレは確かにしてないけどその書き方じゃこの作品の肝の部分を察してしまうんじゃ…」と思うような書き込みもあるのでどれだけの人がネタバレを踏まずに観れるか分からないけど、とにかく僕はこの作品を是非情報を入れずに劇場で観てほしいので絶対に観てない人はこの先に進まないで欲しいのだ。

今回も前回と同じく結構スペースを開けて書き始めるのでよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなもんでいいだろうか?

 

観た人用に書くのであらゆる詳細を省きながら書こうと思う。

 

まずは今回事前に発表されていた歴代ヴィラン大集合について。

何回でも語りたいのだが、ウィレム・デフォーのノーマンをもう一度見れたこと、そしてその演技が本当に当時を思い出されるほどの超こわヴィランだった事、本当に感謝しかない。

たしかにサム・ライミ版2のオットーも知的ヴィランながら最後に自我を取り戻した演技が良かったし、3のハリーも良かった(というか個人的にはハリーとの共闘があったからこそサム・ライミ版では3が一番好きなのだ。今回ハリー登場を少し期待してたが、トビーが「親友を失った」という事をあの悔やむような表情で語ってくれただけで限界オタクとして昇天してしまった)サム・ライミ版のヴェノムは置いておくとして…。

アメスパのヴィランたちもとても魅力的だったし、どのヴィランも再登場してくれてしかもオリジナルキャストだっただけで救われるような思いだったのだが、やはりノーマンの演技は頭ひとつ抜けてるように思った。

小心者になってしまう本来のノーマンの演技からのゴブリンとしてのノーマンの演技の振れ幅は思わずくらくらしてしまうほど。

なんか事前情報でさっさと顔を出した(というより顔を隠すヴィランではないのだが)オットー役のアルフレッドと違って一向に顔を見せないノーマンは本当にウィレムがやってくれるの?という思いがずっとモヤモヤしてた。一応公式から「グリーンゴブリンも本人だよ!」とアナウンスされたのだが事前のPVではオットーばかりが映されてたのでやはり人気のある2のオットーがメインヴィランなのかな、と僕は一人残念に思っていたので、むしろがっつりメインヴィランをノーマンが担当してくれたのは心の底から嬉しかった。

当時のスパイダーマン公開から20年経って改めて最高に怖いノーマン・オズボーンが観れたということだけで今回のNWHには公開された価値が十二分にあるのだ。もちろんそれ以上の価値があったのだが。

 

 

 

 

そしてそのビッグサプライズ、トビーとアンドリューの再登場だ。

公開前から散々噂されてみんなもどこかで期待してたのだが、わざわざ向こうのメディアがアンドリューに取材しに行ってNWHへの登場を尋ねたところ「出ないよ」と言ったことでファンも「そりゃそうだよな。その作品の一回限りで出演してたヴィランと違ってシリーズが続くはずだった主役たちは打ち切りされた作品への再登場なんていろいろ遺憾があったり複雑な感情があったりするよな」とまぁ期待してませんよ!というていで公開日まで過ごした。

それからのこれなのでファンとしては思わず拍手したくなったと同時に「よくこんな大きなサプライズをネタバレ王のトムが言うの我慢できたな」と思ったのである。しかしおかげでマスクを外してアンドリューが出てきた瞬間のあの劇場全体が息を呑み込んだ体験ができたのだけど。

ここ、他の誰でもなくピーターの親友であるネッドが呼び寄せたっていうのがまたよかった。魔法が普通に使えたことが驚きだったが、望んだピーターじゃなくて他のユニバースのピーターを呼んでしまったというのは有り得そうなドジだし、むしろグッジョブと言いたくなった。

あとアンドリューピーターがいた場所、路地裏だったのが良い。やっぱスパイダーマンと言えば路地裏、と勝手に思ってるのでらしい場所にいるなぁと1人でにやけてた。

トビーとアンドリューがそれぞれのユニバースのことを話すシーン、もうファンとしては何度妄想したシーンか!ネッドの質問に対して「親友は敵になって自分が殺した」って言うところ、思わず「あー…」と声が漏れてた。

他にもグウェンを失って容赦しなくなったというアンドリューを見て、アメスパ2の最後になんとか立ち直ってヒーローを再開したように見えたけど、あの後も心は救われないままヒーロー活動してたんだなって悲しくなったし、逆にMJと完璧な形で無いにしろ自分たちなりの関係を築いてる事を語るトビーを見て「こいつらいまも付き合っては別れるを繰り返してるのか」と思わずニンマリ。

今回ヴィランに叔母のメイを殺されるという「大事な人を殺された」経験をしたトムホピーター。今まで散々語ってきたが叔父の役割を代わりにトニーが果たしたMCU版ではトニーを看取る役割となったピーターだが、そのトニーも大きな敵との相討ちであった。また、ホームシリーズ2作ではヴィランに対して「止めたい」という感情で相対してきたピーターが初めて「殺したい」という感情でヴィランと向かい合うこととなった。

作中でも語られている通り、スパイディにとっては通過儀礼ですらある大事な人の死。最初は無傷生還かと思わせてのメイおばさんの死は観客に与えた絶望も大きかったし、ピーターの悲壮感も苦しいほど伝わってきた。

だからこそ最後にゴブリンと戦う際の憎しみに駆られたトムホピーターはいままでの敵に対しても愛を感じていた姿とは違って、見るのが苦しいほどだった。大きな戦いもいくつも経験してきたMCUのピーターだが、まだ彼は子供であり、なんでこんな表情をして殴り合わなければいけないのだろうと涙してしまった。図らずも大人になってしまったように映ったのが余計に悲しい。

しかしそこに居合わせたのがかつて憎しみに身を任せてしまった先輩スパイディ2人。特に親友の父であり、自身の父のようにも感じていたノーマンを救うチャンスが巡ってきたトビーピーターにとって、憎しみのままに人を殺してしまう経験を経てしまう後輩を止めることにはもっとたくさんの意味があった。

叔母の命を奪ったグライダーを手に持ち、ゴブリンへと振るったトムホピーターだったが、その凶刃を受け止めたのはトビーピーター。かつてそのグライダーを避けてしまったがためにノーマンを死に追いやってしまったピーターが今度はそれを受け止めた展開、歴史が改変されたなって思うよね。ハリーの憎しみや死を思ったからこその行動でもあるんだろうなと思うとあの3の共闘に涙した身としては感極まるものがある。

ここのシーン、ノーマンへの殺意はトムホピーター自身で止めてほしかったという感想をネットで見かけたが「え、キミメイおばさんが死ぬシーンの時寝てた?あれ経験してるピーターに自分で思いとどまれって、ピーターは聖人ではなくてまだ子供なんだよ?」と思ってしまった。僕はそれを止めるために先輩たちがこの世界に呼ばれたとすら思ってるのに。感想は人それぞれだけど。

ここでトビーピーター死ぬんじゃないかってハラハラしたけど、割と普通に最後立ってたから一安心。さすがは手首から糸を出す男。他のピーターとは体の強化具合が違いますよ。というかこの手首から糸を出すの他ピーターから「すげぇ!」って言われてるの良かったよね。「どうなってるの!?」って言われて説明は恥ずかしくてしないトビーピーター、精通のメタファーだしなと笑ってしまった。

 

あと、チームワークに乏しいピーターたち可愛かったよね。チーム活動の経験では先輩なトムホピーターもよかった。「アベンジャーズ?何それバンド?」は笑う。ピーターもアンドリューも孤独のヒーローだったからなぁ。だからこそ最後に孤独になったトムホピーターも独りじゃないって思たんだけどね。

 

 

 

メイおばさんの死や「大いなる力には大いなる責任が伴う」を教訓として得たトムホピーターにとってはまさしくオリジンとなったNWH。それと同時に過去のスパイダーマンヴィラン全てが救われた本作はお祭り作品以上のファンにとって特別な作品となった。

自分の記憶違いだったら恥ずかしいけどMCUで「大いなる〜」が出たのって初?NWHのCMで宮野真守(スパイダーバースのピーター)がこのセリフ言うのマジでグッジョブ。そういやエレクトロとアンドリューピーターの和解シーンで「スパイダーマンの正体は黒人だって思ってた」って言ったところ、みんな「マイルスがいるよ」って思ったでしょ。以前のバースの感想にも書いたけどMCUにもマイルスの存在が仄めかされていたので、今後実写でも黒人スパイダーマンのデビューはありそうだよね。

今回がトムホピーターにとってのオリジンになったわけだし、彼のライジングも見たいけど、オリジンで終わるってのもなんだか粋だよね。

ただ、ホームカミングでバルチャー味方フラグとかスコーピオンがヴィラン再登場フラグとかあっただけにそれ放置したまま終わってしまうのももったいないよなぁ。むしろ天涯孤独となったピーターのことを覚えていたのがバルチャーとかなら熱い!けど、あんなに思い出を共有した親友と恋人が忘れてるのに一度敵対しただけのヴィランが覚えてるってのも微妙か。

今後トムホピーターがどうなっていくのかは分からないけど楽しみなのは間違いない。

 

 

あと、一つ不満だったのがクレジット後のエディとヴェノム。これからがっつりMCUに絡むのかなと思ったらシンビオート運んだだけですぐに帰ってしまった。それならわざわざMCU来なくても良かったんじゃない?

正直めちゃくちゃ切ない終わり方したこの空気を壊すようにMCU参戦決まったデップーが登場したらクソ笑えるしめちゃくちゃ熱いんだけどなぁ、と思ってただけに毎回の楽しみのエンドクレジットにしては残念な気持ちの方が勝っちゃった。というかこのデップー、まさかの大好きな漫画家のみなぎ得一先生が同じこと呟いててビックリしたよね。でも原作アメコミでは散々絡みのあるスパイディとデップーだからこそ絡んでほしかった!そんであの誰にでも優しいトムホピーターがウザがってるところを見たかった!というかMCUへの初登場として一番インパクト残りそうだったのに、もったいないなぁと思ったよ。

 

 

 

 

 

なんかまだまだ語り足りない気がするけど、概ね話したいことは書けたかな?

先日気付いたんだけど、サム・ライミ版当時は僕も幼かったので吹替版で観てたので、もしや吹替声優も当時のまま?と思って調べたら見事に当時のキャストだった。ジャニーズの件に目を瞑ってでも吹替も観たくなってしまった。

もう一回泣けるチャンスがあるのは嬉しいな。

とにかく早く円盤出してください。死ぬほど繰り返し観ます。

 

 

 

 

 

 

あと、眉唾な噂だけどアメスパ3の制作をするとか?

本当かそれ?いや、もちろん作られたら嬉しいんだけど。しかし今回の参戦でアンドリューが乗り気になってること(というか打ち切り理由も別にアンドリューが嫌がってたわけでもなかったし)、以前からエマ・ストーンがグウェンが出るなら是非演じたいと言ってることを考えると全く無くはなさそう?

それこそマルチユニバース利用してスパイダーグウェンとしてエマが出たらもう今回のサプライズと同等くらいの価値はある。

冗談半分でこちらのアメスパの続報も期待して待とう。