仮面ライダーオーズが伝えてくれた、欲を出すことは悪じゃない

 今日で東日本大震災から10年が経ちました。

 復興が進んでいるのでしょうけど、日々ニュースを見ると復興に終わりはなく、これからもずっとこの震災と向き合っていかなければならないなと感じます。決して10年は節目とは思わず、通過点の一つなのだと考えるべきだと思います。

 

 

 

 

 

 当時は僕は学生で、春休みを利用して実家へ帰省していました。遠く離れた土地だったのですが私の実家も大きく揺れました。最初はただの大きな地震と思い、何でもない日常が続くと思っていました。

 夕方になってテレビをつけると凄惨な光景が広がっていました。テレビ越しに日本が終わるかもしれない、と本気で思ったことを覚えています。

 それからどんどん入ってくる情報はどれも心が耐えられるものではなく、それは被災された当事者の方達の比ではないと思いますが、日本全国すべての人々が不安を抱えた日でした。

 

 

 それからしばらく、日本中が我慢を強いる雰囲気がありました。震災に遭われた方達のことを考えれば何をするのも不謹慎だという雰囲気。

 テレビをつければAC、テレビ番組もしばらくはニュースのみで、発売予定だった音楽CDも軒並み延期。もちろんそれが悪かったとは言いませんし、喪に服すという日本の考え方は大切だとは思いますが、その空気が異常な形で蔓延している、そんな印象でした。

 

 

 

 

 

 ここからの話は毎年この日になるとSNSに投稿してるので僕のフォロワーの人達はもう耳タコだと思うんですが、このブログを上げるのを機に毎年同じ事を言ってしまうのをやめようかなと思います。

 

閑話休題

 

 

 この年放送されていた仮面ライダー仮面ライダーオーズでした。多くの作品の例に漏れず、震災の影響で放送の自粛による話数変更などもありましたが、個人的にはしっかりとまとまってて大好きなシリーズです。

 オーズのテーマは「欲望」。

 子供向け作品なので「欲望」は悪いもの、としてしまうのかと思ったのですが、むしろ「欲しがる事は悪い事じゃない」という事が作品の一貫した答えでした。

 小さな子供たちにとっては大人たちの異様な自粛ムードに釣られて、純粋に欲しがる事は悪とされて窮屈な思いもしたんじゃないでしょうか。当たり前のことも我慢しなければならないという空気の中で「決して欲しがる事は悪じゃない」という仮面ライダーが子供達に向けて放映されていた事は、あの辛い出来事の中での小さな希望だったと感じます。

 

 現実の出来事に対して、空想のヒーローは無力です。当時の子供たちが「なんでヒーローは助けに来ないの?」と絶望をした事もあったと聞きます。

 だけどきっと、作品を手掛けたあらゆる人たちが勇気や元気を届けたいと願ったはずです。フィクションの弱さに負けず。

 

 

 

 

 僕もこの震災の復興を微力ながらこれからも続けたいと思います。